平成16年度研究外部評価(事後評価)

整理番号 テーマ名 総合評価
04−C5 玄米を用いた新清酒製造法の開発
研究期間 平成13年度〜平成15年度(3ヵ年)
研究概要 玄米または精米を抑えた低精白米を用いて、省エネルギーで米糠排出が少なく、かつ香味の良い清酒を製造する方法の開発を行う。

外部評価委員のコメント

 ・現在香味で清酒を買う人が多いので、タイミングとしては今回の研究は非常に良い。
 ・焙煎処理米を使ったというのが面白い。
 ・開発製品の方向づけは難しいが、面白みもない。
 ・県発の香味・円味の商品を作成できる可能性は大きいのか。
 ・酒税法上の「純米酒」の定義であった精米歩合の制限がなくなり、低精白米を使用しての商品開発がし易くなっている状況にある。
 ・今回の研究は省エネをテーマにしたものであったが、酸味をたっぷりと含んだ新しい味わいの清酒となり、差別化商品の開発にもつながり、当初の目的をほぼ達成したと思われる。
 ・また、低精白米を使用した清酒には美容効果があると言われているフェルラ酸を多く含むが、焙煎処理の影響がなければ、更に消費者への購買意欲が増すであろう。
 ・難点は焙煎処理設備が手軽でないことが挙げられる。
 ・新しい製法の開発として興味深いが、特徴付けをよりはっきりした方がよい。
 ・技術普及の見通しが不透明である。
 ・現在流通している商品と風味の点での差別化が必要である。
 ・本方式でおいしいお酒ができるようであれば、今後改良を進めて行けば良いと考えられる。
 ・廃棄物(酒カス)にも配慮が必要ではないか。
 ・焙煎処理によって玄米臭を大幅に低減できたことは、米を原料とする各種食品にも応用可能なのではないか。
 ・今後の展開として酵母との関係を検討して欲しい。
 ・商品開発のコンセプト(ゴール後の位置づけ)を当初よりいくつか作って、狙った味つけが何を基にしたら設計どおり作ることができるのか等、プロセスのコントロール方法まで解明できれば、今後も醸造のためのノウハウとして活かせるのではないか。
 ・当初の目標設定の仕方がややあいまいだったような印象を受ける。
 ・不快なにおいを除去する目的は達成されており、白ワイン様の味を持つ成果が得られている。
 ・今後製品化へ向けての方向性(最大のウリ)を明確にし、ステップアップ出来る新規研究テーマの提案が望まれる。
 ・何がメリット(売り)なのか。
 ・玄米を使うことに大変興味があるが、これは、ヌカに含まれている成分を有効に使う点でおもしろいと思う。
 ・嗜好品であるため、質の定量的評価は困難と思われるが、ブレンドなどに工夫を凝らし、特徴ある清酒の開発に期待する。
 ・技術移転を目標としているので、例えば、コスト(イニシャルコスト)など製造装置面で工夫する必要がある。