超薄板溶接技術の開発  ―半導体レーザの利用によりコスト削減―

半導体レーザ装置と超薄板ダイヤフラムの溶接

 電子機器や精密機械、医療機器分野には、薄板を微細溶接している製品が多く見られます。板材が薄くなるほど、溶接に必要な熱の量や投入位置を高精度に制御することが求められます。

  工業試験場では、安価で出力安定性に優れた半導体レーザに着目し、これを利用して厚さ100μm以下の超薄板でも安定した溶接をするための基礎技術を大阪大学と協力して開発しました。その結果、厚さ20μmまでの超薄板の突合わせ溶接、重ね溶接、エッジ溶接を可能にしました。さらに、実製品を用いた実証化試験を行い、溶接ベローズや圧力センサに使用されるダイヤフラム(隔膜)等への溶接に有効であることが分かりました。

  現在、県内外の企業の協力を得ながら半導体レーザによる超薄板溶接技術の実用化に現在取り組んでいます。これまで、半導体レーザ技術を微細加工の分野で実用化した例は世界的にほとんどありません。実用化ができれば、従来のレーザ溶接技術に比べて大幅なコスト削減と品質の安定性が期待できます。ご関心のある方は担当者までお気軽にご相談ください。


担当:機械金属部 舟田 義則(ふなだよしのり)

専門:レーザ加工、精密測定

一言:新しい技術を開発できましたので、県内企業の皆様のアイデアで有効にご活用して下さい。