平成28年度研究外部評価(事前評価)


整理番号 テ ー マ 名 評価点 総合評価
 16-C6  耐久性を改善した無鉛和絵具の実用化研究  12.3
研究期間 平成26年度〜平成27年度(2ヵ年)
研究概要  九谷焼の五彩に対応できる共通のフリット組成を見出し、耐久性(耐アルカリ性)を改善させた無鉛和絵具を開発した。

外部評価委員のコメント

 ・鉛フリー絵具の耐アルカリ性を向上させることに成功し、九谷焼の普及・発展に貢献する研究です。
 ・九谷焼の普及に向けては、日常で使用されることが求められます。そのためにも、早急な製品化を望みます。今後、消費者にどのようにアピールしていくかが課題と考えます。
 ・無鉛和絵具6色が目標の水準に達したことは業務用分野で、安心して使えることになり、用途拡大につながります。重要な課題が、一定水準でクリアできたことはすばらしいと思います。さらなる課題について、検討を進め、ブラッシュアップしてもらいたいと考えます。
 ・実用化へ向けての研究として、無鉛フリットの試作・検討を「試料調整」「耐久性試験」「耐久性評価」と、地道に行っています。また、フリットの耐久性試験に関しては、青と黄色で反対の結果が得られていますが、原因は不明であり、さらなる継続研究を進めてほしいです。
 ・実際の洗浄後のサンプルを見ると、明らかにアルカリ耐性が既存品よりも向上しており、将来性が期待できます。フリット組成の微調整を精密に行っており、最適なバランスを見出すというアプローチは、汎用性、実用性に豊み十分評価できます。酸化鉛の使用時に比べて、最終的にどれほどの耐久性が達成されるかについても、今後に期待したいと思います。