平成23年度研究外部評価(事後評価)


整理番号 テ ー マ 名 評価点 総合評価
11−C5 耐火断熱れんがの高品質化と環境低負荷
製造技術の研究
 11.9
研究期間 平成21年度〜平成22年度(2ヵ年)
研究概要  珪藻土れんがの品質を安定化させ、焼成時に発生する亜硫酸ガスを低減させるため、石灰と消石灰を添加し試作・改良を図った。得られたれんがの品質は、950℃付近で焼成することでJIS規格の再加熱収縮率2%以下を満たし、亜硫酸ガスの発生も3〜4割程度削減できることが推定された。

外部評価委員のコメント

 ・まだ実用化段階での工夫、改善の余地があるように思われますので、今後の努力に期待したいと思います。
 ・実験室レベルと製造ラインの相違を事前に評価して、実験を進めた方がスピードアップになると思う。
 ・試験場ならではの研究であり、かつ、おおむね目標が達成されており、成果のある研究であると思われる。
 ・実用化に向けて進めてください。まだ課題はいくつかあります。
 ・目標に対し実用化試験の段階でもう少し課題が残ったが、課題を解決し、引き続き実用化に取り組んで欲しい。
 ・珪藻土質断熱レンガは、海外には規格を満たすものがなく日本が優位な製品であるが、能登半島に産する珪藻土も品質の劣化が課題である。このような状況下で、大口ユーザーである鉄鋼メーカーの要求に対応するためと、産業として周辺住民との共存のために、亜硫酸ガス対策と再加熱収縮の改良は必須である。目標の50%削減には届かなかったが、今後さらに改良を加えることが大切である。
 ・カキ殻を利用した脱硫をぜひ実現して欲しい。脱硫率の改善は可能と思うのでフォローアップでの指導を期待する。
 ・実験では目標とした亜硫酸ガス濃度50%以下に削減でき(実際は36%)、再加熱収縮率2%以下が達成できた。しかし、実用化でもう少し削減率を高める事が望まれる。
 ・亀裂や発泡を減らす技術は改良の余地がある。
 ・亜硫酸ガスの発生や収縮率を制御する方法について、石灰の事前混合などの工夫をしながら、耐火レンガを開発した点は評価できる。企業における最適化とコスト面でさらなる取り組みが期待できる。
 ・亜硫酸ガス濃度の削減については目標値に実炉で達してないが、ほぼ近い値にまで削減されている。実炉で目標値が達成できるよう努力してください。